Tricker’s MALTON 20 years old – Trading Post 良い革靴が見つかるセレクトショップ

京都店

Tricker’s MALTON 20 years old

 

出会いは今から20年ほど前だったと思います。

 

 

ショ-ウィンドウの中の、そのブーツに一目惚れ。

 

その頃はトリッカーズという名前をかろうじて耳にしたことがある、という程度でした。

 

サイズは分かりませんでしたが「色はこれ!」と決めて、京都店の重たいドアを押し開けた記憶があります。

 

後にその店のスタッフになるとは思いもしなかったです。

 

MARRON(マロン)。今でも大好きな色です。新品と比べると、少し風合いが変わってきました。

 

 

私物の方はよごれがついていたりするのですが、それも味だと思っています。

 

濃茶色や紺色、あるいは黒のクリームを塗りたくった時期があり、その頃はもっと激しい色味だったのですが、それも落ち着いてきました。

 

 

こうして見比べると、間違い探しみたいですね。

 

よく「エイジングするとどうなるか?」という質問があるのですが、答えとしては単純に濃くなるとか薄くなるとかいうよりは、「メリハリがついてくる」といったところでしょうか。

 

 

履きジワがつく部分は色が抜けてくるのですが、そこにどんな色のクリームを使うかで印象が変わっていくと思います。

 

 

ブーツの筒のシワもそうです。

 

このブーツに使用されている革の場合、クリームの色の入りやすさは、どれぐらい履き込んだか(どれだけシワが入ったか)に比例していくので、革がある程度なじんだ状態までくると、繊維がほぐれ、色が抜けて、そこに急に色がのってくるタイミングを迎えることがあり、そうすると「来た来た!」という感じになります。

 

色々なクリームを試すのも楽しいのですが、まずはどんどん履く事がエイジングへの第一歩ではないでしょうか。

 

 

とりわけコバまわりは、昔の車の出っ張ったバンパーみたいなもので、ぶつけたり路面の水を吸ったりしてストレスにさらされやすく、また底だけ頻繁に汚れ落としをすることもあり、アッパーよりも先に色が入りやすくなるような気がします。

 

 

意外に気づかない後ろ姿。けっこう印象が違います。全体的にメリハリがついていますね。

 

カントリーブーツに関しては、キズやシワ、よごれも味の内と思ってガシガシ履く方が「らしさ」を感じます。

 

ただし、踵やつま先など靴底の減り過ぎは良くないので、定期的にリペアに出しましょう。

 

 

底の減り具合に応じた修理方法や、好みに合わせた素材を選択できますので、ぜひ御相談ください。

 

 

長く付き合えるのが定番ブーツの良いところです。

 

それは手入れや修理を繰り返すことで「道具として長く使える」という意味でもそうですし、また「ファッションアイテムとして長く楽しめる」という面においても然り。

 

これ以上変える必要のない、完成されたエバーグリーンなブーツ。

 

定番品ならではの存在感で足もとを支えてくれます。

 


Tricker’s 品番:M2508 モデル名:MALTON


  • 素材:Calf
  • 色:Marron
  • 底材:Double Leather
  • 製法:Goodyear
  • ウィズ:5
  • 価格:¥88,000(税込)

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