NEWS

新ブランド投入【こだわりが生んだ幻の日本ブランド】

皆さんこんにちは。
今回はトレーディングポスト初登場となる【オリエンタル】のご紹介です。
突然ですがオリエンタルといっても聞きなじみがないという方は多いと思います。
実は設立から60年以上、奈良に本拠地を構える日本でも屈指のシューメーカーです。
本格レザーシューズからスニーカーまでこなす凄腕ではありますが、トレーディングポストで扱うのはクラシックなグッドイヤーウェルト製法の靴。
今回東京オフィスにお邪魔しオリエンタル ディレクターの松本氏に色々とお話を伺ってきました。
―こんにちは、6月のピッティ以来ですね。
そういえば松本さんはいつもこちらにいらっしゃるんでしたっけ?
いいえ、今日は奈良から来ました。
―それはわざわざありがとうございます。
ところで奈良という場所は靴が有名なのでしょうか?
ええ、メンズシューズの工場が集まっている靴団地があったりで靴産業が盛んな土地なんですよ。
―そんな大規模とは知りませんでした。
さて、早速ですが今回我々が扱うことになる靴に対する拘りなどをお聞かせください。
ラストは何回も修正しましたね。
―まずはラストの話ですね。
どういったラスト作りなのでしょうか?
私自身が英国靴好きなので、その辺は意識しています。
履きやすさを考え親指側のラインはストレート・小指側のラインは内にカーブするシルエットになってはいます。
ただ日本人の足形を考えるとそれを極端にする必要はありませんので、多少親指側もカーブさせシルエットを美しく見せるよう調整しています。
―確かにトゥラインを見ると正統派ラウンドトゥがお好きなのがわかりますね。
そして英国のクラシックなイメージを出しつつ日本の…オリエンタルの履き心地を出すようにしています。
―…オリエンタルの履き心地とは?
日本の靴好きは踵の抜けを気にし過ぎてきつい靴を履くことが多いですよね。
しかしそれでは指も痛めますし本来の履き心地ではない。
ですので私たちの靴はしっかりアーチレングスを確保し、踏まず部とヒールで履かせるという理想的なフィッティングを目指しています。
また、甲の浮きを気になさる方も非常に多いので、皺が出づらいよう低く抑えフィット感を出しつつ見た目もエレガントになるよう心がけています。
―作り手って時折独りよがりになることもあるのですが、松本さんはお客様の趣味をよくご理解されていますね。
さて、オリエンタルさんは様々なタイプの靴が作れるメーカーですけど今回はグッドイヤーですね。
私たちはもともとグッドイヤーのメーカーだったんですが長いことそこから離れた軽めの靴を作っていました。
時代が求めるものを作っていたわけですが。
そして3年程前グッドイヤー製のオリエンタルブランドを復活させました。
―グッドイヤー復活の立役者は松本さん!?
いやいや、社内的にグッドイヤーの靴という流れ自体はすでにありました。
ただ英国調のクラシックな靴にしたのは私です(笑)
―やっぱりね(笑)
海外製の大量生産品があふれ返っている今、日本製ならではの良さを活かすのはやはりグッドイヤーのようなしっかりした仕事をしている本格靴だと思っていました。
ですので2012年あたりからクラシックなドレスシューズ方向へ舵を切ってきました。
あとは単純に自分が好きというのもあります。
グッドイヤーの味わいとかなじみの空気、手間のかかる物作り…そういったのが好きなんです。
―なるほど。
トレーディングポストでは既にいくつか日本メーカーの靴を扱っています。
いずれも素晴らしいメーカーですが、オリエンタルさんの靴は特にインポートの香りがすると思っています。
出し縫いのステッチが非常に細かくきれいですしコバの仕上げ方なんかもある意味日本ぽくないですよね。
そう言ってもらえると嬉しいです。
私は日本の靴ってまだまだ地位が低いと思っているんです。
靴はファッションの一部だと思うんですけど、日本の靴って『靴は靴』みたいな感じがすごくして。
でもそんなことでやってたらいつまでもインポートシューズと同じ土俵では戦えないんじゃないでしょうか。
―オリエンタルさんの靴がクラシックながらそこはかとなくモダンなテイストを兼ね備えているのは、松本さんのその思いが反映されているんでしょうね。
私は職人ではないので直接靴は作れませんが、極力口だけでなく手も出しています。
例えば仕上げなんかは最初現場に任せていたらいまいち納得がいかなかったので、自分で実際仕上げをしながらクリームやワックス選びまでしていきました。
―ムラ感の出し方とか、仕上げも非常にきれいですよね。
この辺もインポートっぽさを感じる理由なのかな。
クリームはあくまで現場の使い勝手ではなく仕上がりの雰囲気で決めました。
しっとりと色が浸透していく感覚といいますか。
靴のデザインに於いて大事なのは【木型のフォルム】【革の顔つき】【パターン】の三つだと思っています。
革に関して言えば元の革質だけでなく仕上げのかけ方も重要です。ですから仕上げも拘ります。
三つの要素のどれ一つ欠けてもダメですからね。
―ですよね(笑)
当たり前か(笑)
―では木型と革の拘りは伺いましたが、パターンはいかがでしょう。
どんな人が作っているんですか?
工場長です。オリエンタル一筋のベテランです。
―ベテランは手が早いし頼もしいですよね。
でもその半面というか、職人ってその人その人の癖がありますよね。
手が覚えてしまっていて自然と作業をしているから早いけど修正って難しいと思うんですよ。
モダンなテイスト、とかって大丈夫なんですか?
確かにそういう部分ありますね。
うちの工場長のパターンってイタリア式なんですが…
―イタリア式…ですか?
はい、例えば(と言ってノートにパターンの絵を描きだす松本氏)
でも私が求めているのはクラシックな英国式。
ですので木型にペンを入れてそれを起こしてもらっています。
―あれ、この木型に書いてあるパターンって?
私が書いてます。
私がパターンを描いて工場長がそれを起こす、です。
―仕上げだけじゃなく絵も描いてるんですね?オリエンタルの出来栄えって松本さん次第じゃないですか!?
そう言われると肩の荷が重いですが(汗)
―ベテラン工場長と若い松本さんの間で意見の相違が出るような場面はないのですか?
それはないんです。
私がお願いすると「分った、それでやってみるよ」と二つ返事で動いてくれる。
すごいフットワークの軽い人なんです。
快く応じてくれるので私はパターンの黄金比を見つけるため時間を相当かけることが出来ます。
―老舗工場の高い技術と松本さんの拘りが凝縮されたオリエンタル。
非常に楽しみなラインナップが増えました。
今日は長い時間ありがとうございました。
作り手の熱意が溢れだす、期待度大のオリエンタル。
気になるラインナップは次回ご紹介いたします。
お楽しみに!

Go to top