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Trading Post × セントラル靴 #5

世界の銘靴を取り扱う中で私達が得たものを、『Trading Post Original』にフィードバックしたい。

私達のこだわりと、職人の知恵のぶつかり合いによって、この度デビューした[セントラル靴]製、『Trading Post Original』。

店頭にて履き比べをして頂ける機会も増えて参りました。
日頃、トレーディングポストをご利用くださる皆様に改めて感謝申し上げます。

青山本店・村井店長  ここでの商談は、一年半に及びました。

長期に亘る、新・Trading Post Originalの製作の渦中私たちがふと考えた事が一つありました。

セントラル靴が出来る限りを尽くすと、どういった靴ができるのだろうか。

靴フアンであれば、誰しも一度は考えることかもしれません。
このメイカーは、どこまでできるのか。どんな靴ができるのか。

[セントラル靴]製、国内最高峰の革靴。
[1601]をベースに、より拘った仕様の靴が作れないかと無理も承知でお願いをし、何とか漕ぎ着けたマスターピース。
実はトレーディングポストの倉庫には、今そんなものが眠っています。
それが、こちらの靴です。

Trading Post Original モデル名:TP1984

  • 素材:Box Calf
  • 色:Black
  • 底材:Single Leather
  • 製法:Goodyear/Blake
  • 価格:¥75,600(税込)

これを私たちは、[TP1984]と名づけました。
1984年にスタートしたトレーディングポストが、最特級と呼ぶに相応しいオリジナルシューズをいよいよ完成させたという私たちの自負から、こういった名を冠しています。
[キャップトゥ]の一型しかないのは、男の基本だからという理由。
もう一つの理由は、組み立てては崩し、重ねては剥がしを繰り返し続けた結果かもしれません。

スペックの中でも一番気になるアッパーには、『ワインハイマー社』の[フロイデンベルグ(ボックスカーフ)]を使用。
ビスポーク(誂え)靴にも採用される世界最高峰の素材を、皆様はご存知でしょう。
身近なところでは、展開中の『ガジアーノ&ガーリング』にて用いられています。

木型は、[66]ラストを用いています。
しかしこの[TP1984]は[1601]と比較してウェスト部分の絞り具合がさらに強い外観となっています。

・ウェストからトゥにかけては、ウェルテッド製法による底付け。
・ウェストのみ、マッケイ縫いをかけた底付け。
二つの工程を経た底付けがされています。

流線型の仕上がり

木型の段階でウェストを絞っても、ウェルテッド製法で底付けをする以上、ウェストを囲むウェルトによってボリュームが出てしまいます。
マッケイ製法では、ウェスト部分にウェルトは不要。
至高のドレス靴を作るために突き詰めた結果、この製法にたどり着きました。
副産物である履き心地の柔らかさも嬉しいポイント。

二つの工程を別々に行っている為、手間が二倍以上になります。
一手間、二手間という小粋に聞こえるその響きを凌駕した、本気の意匠による恩恵が、純粋なグッドイヤーウェルト製法では不可能なウエストラインの露し方となっています。

キャップやレースステイ付近に注目して頂きたい

アッパーの切り替えしは、厚みが出ないよう内側に丁寧に折り込んでからステッチをかけています。
革の断面特有のザラついた繊維質はいかにも[革]らしくて嬉しいものですが、このスペックの靴にはそれ以上に滑らかさが必要。
スムーズな光沢を遮断しないディテールのひとつ。

黒いライニングにはヌメ色の小窓を設置。
往年の銘靴には、いつもこんなディテールがありました。
サンプル品の為無記入ですが、サイズ等が記載される予定です。

[TP1984]のディテールの中で、重要ポイントのひとつ

この靴の踵には、縦に割れるステッチがありません。
踵の曲線に合わせ一枚の革を釣り込んだ[シームレスバック]と呼ばれるこの意匠は一般的なマシーンメイドの既成靴には取り入れることが物理的にほぼ不可能
トレーディングポストでご覧頂ける同ディテールの靴としては、『ガジアーノ&ガーリング』や『ゾンキーブーツ』くらいでしょうか。
※それでも、完全なシームレスバックとは呼べません。
[セントラル靴]ではかなり大きなピースをで釣り込んでいます。

かなりメリハリをつけたフィドルバックで、「作り感」漂う底面に致しました。
ウェスト部にウェルトがない事で、強烈なラインが出来上がります。

これほどのスペックともなれば、ヒドゥンチャネルや半カラス仕上げは当然です。
底周りだからと、一切妥協は致しません。

ビスポークシューズに盛り込まれるディテールを、惜しみなく採用。

セントラル靴の本気を見てみたい」という、私たちからの挑戦を買っていただき国内最高級クラスの本気靴を仕上げて頂くことが出来ました。

セントラル靴の工房内で職人さんに手渡されたこの靴を初めて見た時、男の一張羅という言葉が頭に浮かびました。

ここまで手を尽くした国産革靴は他には存在しないことでしょう。

「どこまでできるのか?」そんな期待を胸に注文を増やし過ぎる余り、スタッフの間で、『てんこ盛り』と呼んでいた時期さえありました。

しかし、どれほどディテールを詰め込んでもそれを破綻させない足し算・引き算のバランス感覚と、熟成された[セントラル靴]の職人の腕によって、この靴は完成します。

「頑張っても一ヶ月に二十数足しか作れない」
かつてなく作業効率の悪い靴に込められた拘りや素晴らしさは職人の皆様から示されたこの条件が露骨に物語っています。

5回に亘り、[セントラル靴]の魅力と新作をご紹介させて頂きました。
今回の新作、[1601]、[1602]、[TP1984]もとい[66]ラストができあがったのは、トレーディングポストをご利用くださるお客様のお声があっての事でした。
心より感謝申し上げます。

古く、西洋より伝来した[レザーシューズ]を、今日本に生きる私たちが、よりよい気持ちで履く事ができる[革靴]に昇華する事は日本の技術力を駆使しても決して容易ではありません。
しかし、たった30年という期間ですがお客様から頂いたアイディアや靴に対する感じ方を蓄積できたことで、2016年現時点で最高と(私たちが)思える[革靴]を日本国内で生産することができました。

世界各国には、それぞれ国を代表する靴ブランドというものがあります。
『Trading Post Original』が、日本のそれであると世に認知して頂ける日を夢見て今後も私たちの靴を履いてくださるお客様のお声に、耳を傾けて参ります。
是非、『Trading Post Original』を各店にてお試しください。

今回、[TP1984]の展開にあたり、先行販売を、青山本店大阪店にて行うことと致しました。

トレーディングポスト青山本店

トレーディングポスト大阪店

10月15日(土)、10月16日(日)の先行販売期間に[TP1984]をお求め頂いたお客様には、特典と致しまして、トレーディングポストのシューキーパーをプレゼント致します。
※[66]ラスト純正キーパーではございません。
尚、銀座店、名古屋店、京都店、福岡店にはサンプル品を展示致します。
開催店舗以外でのご案内につきましては、各店舗スタッフまでお問い合わせください。
※各店に到着し次第、ホームページでご紹介いたします。

皆様のご来店、心よりお待ち申し上げます。
Trading Post

 

【前回の記事】

Trading Post × セントラル靴 #4

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