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コードバンについてのアレコレ

【 コードバンとは 】

 

名前を知ってても、実物を見た事があっても、なんだかよくわからない素材・コードバン。

 

極めて簡潔に言うのであれば「馬の臀部(お尻)の革」となります。

 

革には層があり、一般的な革・スムースレザーと呼ばれるものは、一番上の「銀面」と呼ばれるものがそのまま残った状態で製品化されます。

 

その層の反対側の繊維層(床面)を毛羽立たせて製品化した物がスエードですね。

 

そして、馬の臀部の革の、表層の銀面と裏側の床面の間に存在するのがコードバン層。

 

最近は銀面を残す物もあるようですが、一般的には銀面と床面を削いでいき、残った層を製品化したものがコードバンとなります。

 

 


奥がコードバン、手前がスムースレザー(表革)。見た目にも表面のなめらかさが違います。


 

先ほど「馬の臀部の革」と言いましたが、どんな馬の物でもコードバンとして使用できるわけではありません。

 

コードバン層があってもサイズが小さかったり薄かったりする為、製品化には向かない事が多いようです。

 

財布などの革小物にコードバンが多いのも、コレが理由の一つです。

 

大判のコードバンは生産されにくく、生産されても使えない部分も多い。そして、そのままだと歩留まりが大変悪い為、最大限有効活用した結果が小さくても製作可能な革小物なんですね。

 

さらに革製品を作る為に馬を育てるわけではなく、牛革などと同様あくまで食肉文化としての副産物。

 

日本では一般的な馬肉食ですが、欧米ではかなり地域差があり、アチラで食されていたかと思えばコチラではタブー視されていたりと、宗教や倫理観などが入り混じりまさに千差万別。

 

この辺は大変興味深い内容なのですが、長くなるので今回は割愛。

 

いずれにしても、農耕馬の減少や馬肉食人口の低下により、安定したコードバンの供給量は年々減ってきているのが現状です。

 

 

【 コードバンの特性 】

 

コードバンが珍重される理由はその希少性だけではありません。

 

繊維が横方向に絡み合うようにして伸びる牛革と違い、コードバンの繊維は縦方向に整然と並びます。

 

その結果、スムースレザーには出せないなめらかな質感や光沢が生まれるのです。

 

また堅牢な素材でもあり、諸説ありますが引っ張りや折り曲げには牛革の1.5~3倍の強さを持ちます。

 

歩行により強い負荷がかかる靴の素材としては持ってこいと言えますね。

 

 

【 コードバンといえばホーウィン 】

 

 

さて、そんな希少素材の一大ブランドと言えばアメリカはシカゴのホーウィン社です。

 

1905年創業ですので、既に120年近い歴史のあるタンナー。

 

「コードバンといえばホーウィン」というのは何も日本だけではなく、革製品愛好家の間では世界的なネームバリュー。

 

コードバンだけでなく、オイルをたっぷり含んだクロムエクセルレザーなんかも昔から有名ですね。

 

もちろん、現在では日本を含め、いくつかのタンナーで大変質の高いコードバンが生産されるようになり、ホーウィン社に勝るとも劣らない品質となってきています。

 

ですが、何しろタンニン鞣しからオイル仕上げのコードバンを作った元祖とされるのがこのホーウィン社。

 

その為、好みがでる部分ではありますが、仕上がりの美しさには一日の長があると判断する方が多いのかもしれません。

 

ちなみに便利な時代になったもので、個人でも割と簡単にホーウィン社のコードバンは購入可能です。びっくりするほど高額ですが……。

 


Allen Edmonds 品番:8605001 モデル名:CAMBRIDGE


  • 素材:CORDOVAN
  • 色:BLACK
  • ラスト: 65
  • 底材:DOUBLE LEATHER
  • 価格:¥198,000(税込)

 

公式通販はこちらから>>>

 

 

 

アレンエドモンズのウィングチップ、「ケンブリッジ」。

 

同じアメリカブランドとして、以前よりホーウィン社とアレン社には深い結びつきがあり、同社のコードバンを使用した製品が定番的にラインナップされています。

 

カジュアルでの使用が基本となる素材なので、ドレッシーなデザインよりはウィングチップやダービータイプ等のカジュアルデザインの方がしっかりかみ合うと思います。

 

ダブルソールやヒール周りのボリューム、アッパーでは要所要所でのダブルになったステッチがコードバンの重厚感を引き立てますね。

 

 

【 コードバンのデメリットとは 】

 

もちろんコードバンにもデメリット、というかウィークポイントもあります。

 

まず一つ目は「キズが目立つ」。

 

表面が極めて滑らかなため、その弊害としてちょっとしたキズも目立ちやすいのです。

 

ただ同時に、キズを目立たなく消しやすい素材でもあるので、正しいお手入れを行っていればこれについてはデメリットという程のものではないかもしれません。

 

諸々のメンテナンス用品の使い方次第で、余程深いキズ以外は結構なんとかなります。

 

2つ目は「水に弱い」。

 

ここは敢えて「弱い」と表現させていただきます。

 

濡れたまま放置したりすると水ぶくれのような状態になり、場合によっては若干の毛羽立ちが発生。

 


水に濡れた部分を放置しておくと……



僅かにスエードのような毛羽立ちを持った水ぶくれに。


 

毛羽立ち自体はアビィのレザースティックなどで消せますが、質感の変わった部分は如何ともしがたいことが多々あります。

 

できるだけ濡らさない、濡れた場合は早めに水分をふき取っておくのが賢明です。

 


コードバン所有者は必携のアイテム、アビィレザースティック。色んな使い方があります。


  • 価格:¥11,000(税込)

 

3つめは「裂けやすい」

 

上述したようにひっぱりや折り曲げへの耐性は強いのですが、裂けには強くありません。

 

これは繊維の並びに理由があり、独特の美しい光沢とはトレードオフ。

 

履き口周りやタンの付け根は特に裂けやすいので、普段から注意しておいた方が良いでしょう。

 


赤丸部分はダービーシューズでの裂けやすいポイント。修理は可能ですが普段からよくチェックしましょう。


 

もちろん、定期的なメンテナンスを行う事で大部分は予防できますのでご安心を。

 

 

 

履けば履くほど、磨けば磨くほど魅力が増していくコードバン。

 

履いていく上で気を使わなければならないポイントは多いですが、それ以上に履く喜び、所有する喜びを教えてくれる素材です。

 

メンテナンスなんかでもコードバン磨き用のテクニックが色々あったりするので気になる方はご相談下さい。

 

 

ご利用お待ちいたしております。

 


 

トレーディングポスト名古屋店では、当店の商品だけではなく他店でのご購入の商品でも常時修理をお受けしています。

また、お預かりした修理靴は店舗にてメンテナンスをしてお返しいたします。

詳しくは、スタッフまでお問い合わせください。

 


 

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