Trading Post Original ～日本最高峰の革靴～

先日、Trading Post Originalの製造を手掛ける「セントラル靴」に行って参りました。

～セントラル靴～

東京・浅草に工場を構え、グッドイヤーウェルト製法を得意とする1949年創業の老舗メーカー・セントラル靴。

釣り込みへの拘りや手作業の多い生産工程が特徴で、一つ一つの作業を熟練した職人が時間を掛けて一足の靴を作り上げています。

トレーディングポスト・オリジナルをはじめとして、数多くのブランドのOEMを担っている日本を代表する靴メーカーです。

下町浅草、昭和の香りが残る町工場でTrading Post Originalは作られています。

年季の入ったマシンを駆使しながら寡黙な職人の手で仕上げ温かみのある1足を生み出す・・・

大量に物が消費される世の中で忘れかけていた何かを思い出させてくれる気がします。

この場所からトレーディングポストが誇るプレステージコレクションも作成されています。

約4年前に木型「66」が誕生しプレステージコレクション初代モデルの「TP1984」が誕生しました。

「66」ラストは、ビスポーク靴特有の一の甲の低いシルエットを追及しています。
これにより甲部分のホールド感が増しフィッティングの向上に成功。

さらに一の甲から二の甲にかけて強くせり上がった外観により靴の存在感・高級感が強調されています。

一の甲を低く、二の甲は削り過ぎないことによって単に窮屈な靴にならないような絶妙なバランス。

さらに日本人は欧米人よりも踵が小さいという事も熟慮し、深さ・丸さ・履き口の広さ等の諸要素を加味し高いホールド感を可能にしている木型なのです。

この木型「66」は私達トレーディングポストのこだわりと職人の知恵の結晶と呼べるものだと思っています。

その結晶と呼べる靴が今店頭に並び、良いものに拘りたいという紳士の足元を飾っています。

細かいディテールを見ていきましょう。

プレステージコレクションに採用されるアッパーには、ワインハイマー社のフロイデンベルグ（ボックスカーフ）を使用しています。
ビスポーク（誂え）靴にも採用される世界最高峰の素材と呼べるでしょう。

そして、製法はソールの前半部分がグッドイヤーウェルト、ウェスト部分はマッケイと使い分けたハイブリッド仕様です。

ソール中央の「フィドルバック」の盛り上がりや、アーチ（土踏まず）の絞り込みも含め、ビスポークシューズの様な立体感を生み出しています。

底面も縫い目の見えないヒドゥンチャネルに半カラス仕上げと妥協を一切許さない組み合わせ。

プレステージコレクションのディテールの中で、特筆すべきポイントは踵に縦に割れるステッチが存在しないという事です。
大半の既成の革靴はかかと部分に革の繋ぎ目がありますが、コチラは高級靴で採用される「シームレスバック」（繋ぎ目無し）の仕様となっています。
踵の曲線に合わせ一枚の革を釣り込んだこの意匠は一般的なマシーンメイドの既成靴には取り入れることが物理的にほぼ不可能。
1足1足職人の手作業によるもので月産の足数も限定される非常に手間のかかる作業になります。
そして、下へ向かって細くなっているピッチドヒールが小さく丸い踵との一体感を表現しています。