2021.10.17
FEATURE
Trading Post Original ヘリテージコレクションを考察①
スカイツリーが見下ろす下町浅草。
「平成」が過ぎ去り「令和」の時代が到来しても今まだ漂う「昭和」の残り香。
そんな下町の一角で我がトレーディングポスト・オリジナルは製造されています。
トレーディングポスト・オリジナルはコレクションにより工場を分けておりますが今回は、トレーディングポストオリジナルの新シリーズ、ヘリテージコレクションを手掛ける「セントラル靴」の工場からレポートいたします。
~ セントラル靴 ~
東京・浅草に工場を構え、グッドイヤーウェルト製法を得意とする「昭和24年創業」の老舗メーカー・セントラル靴。
時は高度成長期、浅草の靴業界が手製の製造から機械式の製造に切り替わる時代の中、機械を取り入れながらも手作業の工程を多く残し、浅草の職人と共に時代を生き抜いてきた老舗メーカーです。
現在もその熱き職人魂が残る製造工程にて、一つ一つの作業を熟練した職人が時間を掛けて一足の靴を作り上げています。
たとえば製造工程でもっとも大事とされる、つり込みも大半が手作業で行うなど、目立たない部分まで手間をかけて製造しております。
そんなセントラル靴とトレーディングポストは創業当時からの付き合いでオリジナルシューズの製造を30年以上続けているオリジナルの核となる製造メーカーなのです。
またオリジナルの企画製造に携わったり、腕を磨いたセントラル靴の職人さんが独立し成功を収めた方も多く存在します。
セントラル靴の魂が受け継がれ靴業界の活性化に繋がるなど、一目置かれている立ち位置となっております。
工場に一歩足を踏み入れふと下を見ると、
床の隙間を埋めるのにインソールが無造作に打ち付けられている・・・
職人の彼らにとっての当たり前も筆者からすると新鮮に感じます。
革靴の世界に足跡を残すべく一心不乱に靴と向き合ってきた彼らの歴史の片鱗を見ているようです。
コンベアーを使った「流れ作業」とは無縁の世界。
それぞれが年季の入った道具を駆使して1足の革靴を仕上げていきます。
お、こんなところに「GARRETT(ギャレット)」が・・・・
ヘリテージコレクションのスペクテイターシューズですね。こういった過程を見ることは販売に携わる我々でさえ貴重な体験です。
無数の大小様々な穴飾りが華やかさを演出する1足です。
穴飾りも抜き型を使わず手作業で一穴、一穴抜いていきます。
まず銀ペンで穴を開けたい箇所に印をつけていきます。
そして一つ一つ正確に且つ一定のリズムで手際良く開けていきます。
老舗の天ぷら屋さんの大将が言っていた「職人はリズムが大事なんだ。どこで息を吸って吐くかも決まってんだ。」と言っていた事を思い出しました。
やり直しのきかない一発勝負。少しの迷いも許されない世界。そんなプレッシャーをも遠い昔に置き去りにした手捌きで打ち付けていきます。
あっという間に完成しました。大きい穴の間に小さい穴二つ開いていますね。
手作業とは思えない均一性です。
おっと!?後ろに見えるのは制作段階の新作ですね。キャップの位置も微修正をしながら製品化されていきます。
この新作については「ヘリテージコレクションを考察③」で触れていきますのでお楽しみに。
トレーディングポスト商品開発担当の村井とセントラル靴の金さん。
「もう少しこの部分を・・・」
「・・・やってみましょう。」
そんな声が聞こえてきそうですが実際に言っていました笑
このように我々の拘りを真正面から受け止め実際に形にしてくださるセントラル靴の職人さんにはリスペクトしかありません。
人気の「プレステージコレクション」に続くべく新たに開発された「ヘリテージコレクション」
次回はその拘りに迫ってみましょう。